DXはシステムを自社開発しなくちゃできないのかな
どんなアプリを使えばいいの
すぐに成果が出るか不安だな
こういった疑問に答えます。
✔ 本記事の内容
- 建設業のDXはアプリの導入で簡単にできる
- 建設業で使えるDX用のアプリをまとめました
- DX用のアプリでどれくらい業務効率化されるのか
この記事を書いている僕は、大学で電気情報学科を卒業し、ゼネコンに入社。設備技術員として設計・積算・工事と経験してきました。10年間、「この業務はITを使い業務変革すれば楽になる」そんなことを考えながら働いてきましたので、今、スーパーゼネコンが取り組んでいるDXの内容もインターネットにある僅かな情報からでもある程度、推察する事ができます。そんな私が、建設業界のDXについて解説します。
1.建設業のDXは自社開発ではなく、アプリの導入でも実現できる
建設業のDXは自社開発が全てではありません。DX用のアプリを開発している企業から導入する方法もあります。自社開発と比べて、DX用のアプリを導入するメリットは主に3つです。1つ目は開発費が必要なく安価にすぐに導入できます。時代の流れが早い現代においてこれは大きなメリットとなります。2つ目は導入したアプリにすでに実績があり成果を予想しやすい事です。アプリの実績からどのぐらい業務効率化が見込めるのか予想でき、費用対効果を出しやすいです。3つ目は 導入したアプリに対してその時に必要な物だけ使うなど、フレキシブルに対応できます。以前まで使っていたが今は使う必要が無くなってしまったアプリや、逆に新しく必要になったアプリを 簡単に都度選んで使う事ができ、フレキシブルに対応できます。逆に自社開発のメリットは他社と差別化でき、企業価値の向上が見込めます。またランニング費用が掛からず長期的に使い続ければコストメリットがある可能性があります。
✔ アプリ導入のメリット
- 開発費が必要なく安価に導入できる。
- 実績があり成果の予想がしやすい。
- 時流によってフレキシブルに対応できる。
2.建設業で使えるDXアプリをまとめました
建設業で使えるDXアプリを開発している企業は実に多く、ある程度有名な企業だけで70社以上あります。その中でもシェアが高く、特に有望な企業のアプリを3つにまとめました。
SPIDERPLUS(スパイダープラス)
スパイダープラスは、ゼネコン向け施工管理者の業務を効率化するアプリです。主な機能は、自動でPDF化した図面にピンを落とし、そのピンに写真やコメントなどのデータを残せます。またデバイス上で手書きができる為、簡単に資料を作成する事が出来ます。これらは簡単に共有できます。また他社にないスパイダープラスの特徴として、様々な検査をその場で記録して資料を作成する事ができ、作成時間が大幅に削減するサービスがあります。スパイダープラスは2021年3月にマザーズに上場しています。2021年8月の時点で上場している企業としてはスパイダープラスが唯一の企業です。契約社数は900社、契約ユーザーは40,000人となっています。
photoruction(フォトラクション)
フォトラクションは、生産性と品質向上を目的とした建設業向けクラウドサービスです。
写真や図面、工程表、タスク、検査など豊富な機能で技術者が本質的な仕事に集中できる環境を提供しています。主な機能は、スパイダープラスとほぼ似たような形です。ですが、最も期待されるフォトラクションの独自サービスとして、建設特化のBPOがあります。これはPhotoructionにデータをアップロードすると専用のオペレーターが業務を代行します。作業回数が増えるとデータが溜まり、AI での処理へと置き換わり行うサービスです。(参考:Photoruction)またBIMモデルの閲覧も可能でBIM対応で他社より一歩抜きんでている印象があります。スーパーゼネコンを含めた国内外約80,000を超える建設プロジェクトで導入されています。また2020年5月に5.7億円の資金調達をしています。
ANDPAD(アンドパッド)
「ANDPAD」は住宅・リニューアル向けのアプリで、現場の効率化から経営改善まで一元管理できるシェアNo.1の施工管理アプリです。電話・FAX・メールなど、アナログで煩雑な現場のコミュニケーションもチャットアプリで円滑化できます。(参考:ANDPAD)最近ではゼネコンもターゲットにしています。主な機能は、アプリ内で現場や事務所、客先の管理、現場チャット機能、工程や検査の標準化、更に引合客・契約客・OB客を一気通貫で管理があります。契約社数は10万社で、ユーザー数は26万人で住宅・リニューアル業界ではシェアナンバー1です。また2020年10月に米ベンチャーキャピタル中国部門のセコイア・キャピタル・チャイナから20億円の資金調達を行っています。
3.DXアプリでどれくらい業務効率化されるのか
これらのアプリの導入でどれくらい業務効率化がされるのか調べました。またランニング費用も併せて紹介します。
SPIDERPLUS(スパイダープラス)
スパイダープラスの導入費用は、サーバー初期費用で44,000円、1アカウント月額3,300円です。スパイダープラスはタブレットを使い図面管理・各種検査を行う事でペーパーレス化に貢献し、一人あたり月数十時間の労働時間削減につながります。これだけの削減が本当に出来れば十分な業務効率化 が期待できます。
photoruction(フォトラクション)
フォトラクションの導入費用は、1アカウント月額3,980円と1プロジェクト月額980円です。BPOはオプションでプロジェクト毎で金額が変わる様です。生産性と品質向上を目的とした建設業向けクラウドサービスです。フォトラクションは写真や図面、工程表、タスク、検査など豊富な機能で技術者が本質的な仕事に集中できる環境を提供する事で、一人あたり月9時間の労働時間削減につながります。また報告業務に掛ける時間は95%削減できます。 削減ができれば十分な業務効率化が期待できます。
ANDPAD(アンドパッド)
アンドパッドの導入費用は、初期費用で100,000円、60アカウント月額36,000円です。アンドパッドは、電話・FAX・メールなど、アナログで煩雑な現場のコミュニケーションもチャットアプリで円滑化し、業務量が1/10になったり、売り上げが20%向上したとの声があります。十分な業務効率化がきたできます。
今回は、建設業のDXに貢献できる業務効率化アプリを紹介しました。これらのアプリはスーパーゼネコンを中心によく使われています。建設業で働く皆様の参考になれば幸いです。まだ会社に導入されていなければ導入している会社に転職を考えてみてもいいかもしれません。 私も利用した転職サイトを参考で載せておきます。