人材

建設業界で若手とベテランの会話が成立しない理由

仕事ができる上司と何故か揉まてしまう
上司とコミュニケーションが取りにくく感じる
会話が成立していない気がする

  

こういった疑問に答えます。

  

✔ 本記事の内容

  1. 若手とベテラン上司の会話が成立しない理由をまとめました
  2. 上司とコミュニケーションが取りにくく感じる原因
  3. 会話を成立させるには

この記事を書いている僕は、大学で電気情報学科を卒業し、ゼネコンに入社。10年間、設備技術員として設計・積算・工事と経験してきました。そんな私が、昭和のベテラン上司の考え方を解説します。

  

1.若手とベテラン上司の会話が成立しない理由をまとめました

上司が何考えているか分からず、何かちょっとしたことでも揉めてしまう。そんな方は旧時代の上司の考え方を知らない事が原因です。3つの上司の考え方を知ることで、コミュニケーションが取りやすくなります。それでは解説します。

 

上司の仕事に対する信念

建設業界で働く4,50代の上司は、どんなに忙しくても現場をおさめ、会社に利益を出す事が仕事である、という信念があります。なぜそのような信念を持っているかというと彼らの時代背景を知る必要があります。50代の上司であれば1990年代に建設業界に入ったことになります。90年代と言えば、1992年に日本の建設投資額が最大の84兆円になり、そこから2010年に最小の41.9兆円を記録するまで下がり調子が続いていました。この様な厳しい環境で仕事にフルコミットして何とか利益を出し、自分が会社を支えてきたと言う強い自負を持っています。またこれらの事から、今の自分のやり方が最も洗練された仕事の仕方をしていて変化を取り入れる余地が無く完成されていると信じています。裏を返せば、現状にいっぱいいっぱいでそこに変化を取り入れる余裕が無いとも言えます。

 

上司のプライド

上司は、建設投資額が減少していく中で、いかに自分が効率的に利益を出すかという事を本気で考えてきています。1990年代にITはなく、アナログで業務効率化を実現するしかありませんでした。その為、厳しい環境で利益を出すには、仕事にフルコミットして知識を吸収し、激務を効率的に処理する事が正しい方法でした。彼らはその方法で30年以上働き続けてきた強い意志と実行力をもってきたエリート労働者です。彼らのプライドは今の会社があるのは自分たちがフルコミットしてきたおかげだと自負しています。その為、ぽっと出のあまり稼いでもない若者がそういう時代背景も知らないで意見をしてくると、自分の生き方を否定された気がして強い反発をする事があります。

 

上司の常識

上司の時代背景、信念とプライドから、常識を考えていくと、仕事はどんなに辛くても激務でもやり遂げて利益を出す事が何よりも重要と考えています。会社に強い忠誠心があり仕事に全コミットする精神が正しい仕事の取り組み方という認識があります。

 

2上司とコミュニケーションが取りにくく感じる原因

若手は、考え方が違う上司とコミュニケーションを必要以上に取りたくないと感じています。これは上司と信念やプライド、常識に大きな乖離がある事が原因です。そこで上司と若手の考え方の違いを説明します。

 

信念の違い

上司は、仕事はフルコミットしてやり遂げるという信念を持っています。若手はアナログの仕事にフルコミットしてやる必要性を感じていません。今はもっと楽な方法があると信じており、給料が貰えるからやっているという信念を持っています。また労働環境や人間関係が悪ければ転職すればいいと考えています。

 

プライドの違い

上司は厳しい環境の中で、30年以上の間、自分たちが仕事にフルコミットして激務の中、最前線で会社に利益を出し貢献してきたというプライドがあります。若手は仕事は淡々と行い、もっと楽に結果を出せる会社があれば簡単に転職を検討します。若手には会社への愛着も無く、必要な知識や経験が手に入ればプライドなどは関係ないと考えています。

 

常識の乖離

上司の常識は、仕事は疑問を挟まず激務でもやり遂げるものと考えています。また厳しい環境の中で仕事に全コミットして利益を創出する事は当たり前で、会社の為に我慢しなくてはいけないという忠誠心も持っています。若手の常識は、ITで楽に儲けられる世の中で、アナログで激務なんてやっていられないと考えています。また大転職時代と言われてる現在、会社へ忠誠心もなく必要な知識や経験を積み、これ以上会社に望める事が無くなれば、簡単に転職を考えます。また副業が世の中で推進され、仕事に全コミットする事はリスクであると考えてもいます。

 

3会話を成立させるには

時代背景や信念、プライド、常識に大きな乖離がある上司と若手が円滑なコミュニケーションが取る事ができる方法を解説します。

 

意見を言う前に、まずは上司の信念に敬意を払う

今の会社があるのは厳しい時代に上司がフルコミットして仕事をしてきたからです。また会社から高い給料がもらえるのは上司をはじめベテラン社員が強い責任や激務の中、利益を出しているからです。アナログで効率が悪いなと感じても、会社に所属する以上、アナログで仕事をしている彼らが利益を出しています。そこにまずは敬意を払う必要があります。

 

プライドへの理解

上司は、厳しい環境の中でなんとか結果を出してきたというプライドがあります。どんなに激務でもやり遂げてきた彼らには、仕事は必ずやり遂げるという強い意志があり、忙しい事は当たり前だと考えています。また今の会社があるのは自分たちがやり遂げて結果を出してきたからという自負があり、同じように結果を出した人間だけが会社の構造的な問題に何か言っていいと考えています。つまり若手とは一生分かり合えない価値観を持っているため、たとえ上司から会社やビジネスモデルに何か意見を求められても、まずは「私なんかはまだまだ一人前ではないので」と遠慮する素振りを見せましょう。それでもという様であれば、自分の意見ではなく世の中こんな意見がある様ですねという形で上司側に立った上で発言するようにしましょう。決して自分の意見として言ってはいけません。

 

常識への理解

上司は、仕事は激務でもやり遂げる事は当たり前と考えています。激務で仕事が回らないなら休日に勉強して知識を身に着けることは当たり前だと考えています。これらが全部間違っているとは言えないですが、建設業界の場合、休日に勉強したからと言って仕事が楽に回せる様になることはありません。今の時代、変化のスピードが速く今やっていることが1年後には通用しなくなっているなんてことはざらにあります。転職や副業が当たり前となっている今の時代に、フルコミットしなければ回らない仕事は若手にとってはどうしても受け入れがたいものがあります。ですが、関係を壊す訳にも行かないので苦肉の策として自分も仕事にフルコミットしてますよという振りだけアピールしましょう。アピールするだけで頑張っているなとなるでしょう。

 

今回は、うまく上司とコミュニケーションを取る為に、上司の考え方を解説しました。これらに我慢ができなければ転職を検討しても良いと思います。少しでも参考になれば幸いです。

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