入門

DXって何?

DXって最近聞くけどなに?
DXの事例は?建設業でDXってどんなことするの?
DXって良く分かんないけど取り入れても大丈夫かな。

  

こういった疑問に答えます。

  

✔ 本記事の内容

  1. DXの定義
  2. DXの事例
  3. DXを導入する前の注意

  

私の経歴は、大学で電気情報学科を卒業し、ゼネコンに入社後、設備技術員として設計・積算・工事と経験してきました。10年間、「この業務はITを使い業務変革すれば楽になる」そんなことを考えながら働いてきましたので、今、スーパーゼネコンが取り組んでいるDXの内容もインターネットにある僅かな情報からでもある程度、推察する事ができます。そんな私が、DXについて解説致します。

  

1.DXの定義

  

DX(Digital transformation)とは、

「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」

デジタルトランスフォーメーション - Wikipedia

という概念です。簡単にかみ砕いて言うと、ITを利用して事業を根底から変化させるという意味です。

  

どんな事をするのか、IDC Japan社がもう少し具体的に定めたDXの定義を引用すると、

「企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンス(経験、体験)の変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」

IDC Japan 株式会社 - 用語解説一覧

とあります。

  

この定義を建設業、特にゼネコンに置き換えると

「ゼネコンが施主や協力会社との破壊的な変化に対応しつつ、設計部、積算部、工事部の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンス(経験、体験)の変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること

となります。どうでしょうか。DXについてなんとなく分かってきたのではないでしょうか。第3のプラットフォームという言葉は聞きなれない単語で良く分からないかもしれません。第3のプラットフォームはDXを取り入れる上で大変重要なIT技術です。これらについては別に解説をしたいと思います。

  

2.DXの事例

  

①世の中のDX事例(ソフトバンク)

ソフトバンクでは、コールセンター業務である「落とし物通知依頼書」の転記業務をDXすることで効率化に成功しました。

以前はPCに手入力しており、毎月6,000件近くの件数を毎日10名が交代で対応していました。

多くの人員が必要で、入力ミスや確認作業に時間が掛かるなどの問題がありました。

そこで書類のデータ化サービスを導入したところ、担当者を1人にまで削減、入力ミスも格段に減り、肉体的精神的疲労も軽減できたのです。時間にして月200時間が削減でき、コールセンター業務に注力できるようになったとの事。

DXを導入したことで人員コストの削減に成功した事例と言えます。

参考:ソフトバンク株式会社 | DX Suite | 最高のAI-OCRを。 (dx-suite.com)

  

②.建設業界のDX事例(小松製作所)

建設機械等の制作をしている小松製作所では、建設機械にDXを取り入れることにより効率化に成功しました。

以前はマンパワーでこれらの業務を行っていましたが、DXにより、ドローンによる計測や3D施工計画やICT建機アプリ(遠隔自動操作)、ドローンによる3D出来形検査を取り入れたところ、施工プロセスが250日短縮できることが検証によって立証されました。

この様に、DXを正しく活用できれば業務が効率化できるという事が建設業界でも立証されてきています。もちろんDXは土木だけでなく、建築でも活用できることです。今回は現場でのDX事例を紹介しましたが、DXを取り入れられるのは現場だけではありません。内勤の業務や事務仕事など幅広く対象となります。

参考:小松製作所https://smartconstruction.komatsu/dxsc.html

  

3.DXを導入する前の注意

DXは導入する事で、生産性の向上が大きく見込まれます。ですが、ただIT技術を取り入れているだけでは成果は見込めません。「このシステムを導入すれば絶対生産性が上がる!」という事ではないのです。

DXを成功させるには、IT技術を使うことを見越した上でビジネスの業務フロー全体をどの様に変革するべきかという事を考える必要があります。これを想定しないでDXを行ってしまうと、後に結局他で時間が掛かってしまったとか無駄な作業が増えてしまったという事になりかねません。

この様に、DXはビジネスモデルの変革という大きな流れの変化を生み出します。この大きな変化が生産性の向上に寄与するのです。ですからまずは会社に大きな権限を持つ経営陣の方々が強くDXを意識する事が大切です。

 

いかがだったでしょうか。今回はDXについて解説をしました。DXが時代の主流になりつつある今、これからの業務をもう一度見直してみませんか。皆様の生活がDXで豊かになる事を願っています。

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