スーパーゼネコンのDXに太刀打ちできるか不安。
どうやったら資金も人材も豊富なスーパーゼネコンに対抗できるかな。
中小ゼネコンがDXで最初に何からすれば良いのかな。
こういった疑問に答えます。
✔ 本記事の内容
- 中小ゼネコンがスーパーゼネコンにDXで打ち勝つたった1つの方法
- 中小ゼネコンが勝つ為のDX戦略
- 中小ゼネコンが真っ先に取り入れるべきDXは
この記事を書いている僕は、大学で電気情報学科を卒業し、ゼネコンに入社。設備技術員として設計・積算・工事と経験してきました。10年間、「この業務はITを使い業務変革すれば楽になる」そんなことを考えながら働いてきましたので、今、スーパーゼネコンが取り組んでいるDXの内容もインターネットにある情報から推察する事ができます。そんな私が、建設業界のDXについて解説します。
1.中小ゼネコンがスーパーゼネコンにDXで打ち勝つたった1つの方法
年間500億円以上投資するスーパーゼネコンのDXに打ち勝つ方法は、スーパーゼネコンが実用化したDXをすぐに真似をする事です。スーパーゼネコンの鹿島建設は、2021年、DXの取組みで次世代建設生産システム構築に向けた研究開発とデジタル投資に550億円を投じています。この550億円という莫大な投資をしているスーパーゼネコンに準大手以下の中小ゼネコンがDXで勝つ方法は、これしかありません。スーパーゼネコンが550億円も投資して作り出したシステムを簡単に真似できる訳がない。そんな簡単にできないと思うかもしれません。ですが、問題ありません。0から1を作り出すには多額の投資額が掛かりますが、実用化されたものを真似するだけならそこまで投資額は必要ありません。
2.中小ゼネコンが勝つ為のDX戦略
スーパーゼネコンと準大手以下の中小ゼネコンには越えられない大きな壁があります。それは強大な資金力と、多くの人材です。これらの差が10倍近くある限りスーパーゼネコンに中小ゼネコンが真っ向から勝つ事は不可能です。では中小ゼネコンがDXの取組みで対抗できる戦略を1つずつ説明します。
スーパーゼネコンが成果を出しているDX情報を集める
まず真似をするにも情報が無ければ何もできません。スーパーゼネコンが取組んでいるDX情報を集める事が肝心です。各社、自社のホームページ等でPRの為にDX情報を公開しています。その中でも、ある程度、すぐに簡単に導入できて費用対効果が高いDXの取組みをいくつかピックアップします。当サイトでも各社のDX情報概要をまとめていますので参考いただければと思います。
スーパーゼネコンがDXを取り入れるスピードより速く、自社に展開させる
次にやることは、すぐに取り入れられるDXを自社で取り入れてみる事です。取り入れる際に注意する事は、そのDXをする事で何がメリットで何がデメリットになるか理解しておくことです。メリット・デメリットを理解した上で長所は大いに活かし、短所は最低限にするシステム作りが重要です。そして取り入れたDXを一気に社内全体に導入しきります。こうする事で社内の利益率を一気に改善する事ができます。これは組織が巨大なスーパーゼネコンではできない事です。中小ゼネコンならではの小さい組織であるメリットを活かした有効な手段となります。
小回りが利く中小ゼネコンの良さを活かす
中小ゼネコンは組織が小さい事から、方針転換やシステム導入の効果が出やすいメリットがあります。まず費用対効果が高いDXを導入してみて、改善できる点が出れば小回りを利かしてすぐに改善できます。そこを大きく活かしDXを導入していくとスーパーゼネコンにも負けないビジネススタイルが確立できます。中小ゼネコンこそスピード感をもってDXを導入し適宜修正していくと良いです。
3.中小ゼネコンが真っ先に取り入れるべきDXは
まず何のDXから取り入れるべきか判断がつかないという事もあるかもしれません。では、中小ゼネコンがまずとりいれるべきDXは何なのか解説します。
3DCADを活かしたDX
設計と工事の生産性が最も向上するのが3DCADを活かしたDXです。これはスーパーゼネコンではすでに実用化されているDXでもあります。費用対効果と確立されているDXとしてまず取り組むには申し分ないと言えます。具体的なDX内容は、まず3DCADソフトは建築であればrevit、設備であればrebroを導入します。これらのソフトを利用し、設計図で全て3DCADで書ききります。外注に書かせても良いでしょう。そこですべて3D化された図面をもって施主と相談し、3DCAD上でデザインやおさまりを検討し大枠で合意しておくことが最も重要です。現場変更で大きな設計変更がなければ現場管理が大変楽になります。3DCADのメリットは竣工のイメージがその場で見れることです。そのメリットを活かし設計段階から施主とデザインの点で合意しておく、これが最も重要になります。くどい様ですが、大きな設計変更が出ると3DCADの特性上、労力が余計多く掛かる為、ここをしっかり押さえる必要があります。
✔ 3DCADのメリット・デメリット
メリット:3DCAD上で設計段階からデザインや施工図レベルのおさまりの検討ができる
デメリット:設計変更があると、通常の2D図面より大幅な労力が掛かる
現場管理のDX
鹿島建設が導入している内装・建具工事進捗管理システムは、Microsoftが提供するRPAツール「Microsoft Power Automate」(Power Automate)と、コラボレーションツールである「Microsoft SharePoint」を使用しています。よって開発費が掛からない既存のソフトを利用することで費用対効果を出しています。システムは、内装・建具工事進捗管理システムの管理表を更新し、同時に次の工程の担当者のスマートフォンに通知する事が出来ます。進捗状況は元請け会社も協力会社もモバイル端末または工事事務所内のPCでリアルタイムで確認でき、前工程の終了も次の工程担当者にリアルタイムで通知されるため、待ち時間の削減効果があり、鹿島建設は同システムを導入してから、個々の工程で作業量が16~26%削減されたという成果も出ています。例えばこの様なDXであれば実績も証明済で、リスクなく取り入れる事が出来ます。現場のDXは特に重要で、協力会社の生産性が上がることで労務費の削減でき、協力会社の囲い込みにもつながります。
✔ 現場管理DXのメリット・デメリット
メリット:現場の生産性が向上する
デメリット:なし
いかがだったでしょうか。今回は中小ゼネコンがDXで生き残る方法を紹介しました。少しでも参考になれば幸いです。とはいえ、この様な事に取り組める企業は稀かもしれません。しかし取り組まなければ生き残る事は厳しくなってくるでしょう。会社に変化が見られなければ転職も視野に入れてみても良いかもしれません。私が利用した転職エージェントを参考に載せておきます。様々な企業の情報も展開してくれるので情報収集としても利用価値は高いです。
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