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AIに作らせた「AI評議会」が、まず動かなかった話 — 非エンジニアの個人開発記録

議事録AI「VoiLog」を1人で作っています。建設業の現場管理を10年、SaaS営業を3年やってきて、いまは開発も運用も全部1人。ただし私はコードが書けません。書いているのはAIです。今日は、開発の意思決定を助けてもらおうと「6人のAIに議論させる仕組み」をAIに作らせたら、その仕組み自体がまったく動かなかった——という地味な格闘の話を書きます。

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「AIに会議させる」という思いつき

個人開発は、相談相手がいません。新機能を入れるか、料金をどうするか、全部1人で決める。現場やチームで揉んでもらえた判断を、いまは自分1人の頭で抱えます。そこで思いつきました。役割の違うAIを何人か用意して、提案を議論させればいいんじゃないかと。CTO役、PM役、UX役、法務役、QA役、Growth役。6人のAIにそれぞれの立場から意見を出させて、賛成・反対・確信度(confidence)を返してもらう。名付けて「AI評議会」。コードはもちろんAIに書いてもらいました。

仕組みとしては面白い。でも、作るのと動かすのは別物でした。コードが書けない私には、出来上がった仕組みが「ちゃんと動くか」を自分では確かめられません。だから、まずはテストしてみることにしました。ここからが、地味な戦いの始まりでした。

「てすと」と打ったら、本気で審議された

動作確認のつもりで、議題の入力欄に「てすと」とだけ打って投げてみました。中身のない、ただの動作チェックです。そうしたら、devil-advocate(あえて反対意見を言う役)のAIが、confidence 0.95という高い確信度で「本提案は実質的な内容を欠いています」と真面目にリジェクトしてきたのです。

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いや、テストだよ。確信度0.95って、ほぼ確信を持って却下してるじゃないか、と。しかも「てすと2」「てすと3」と続けても、毎回律儀に審議して、律儀に却下してくる。AIは、こちらの「これはテストです」という空気をいっさい読みません。与えられた入力を、それが冗談だろうと真剣に処理する。人間の会議なら「これテストね」で笑って流すところを、AIは1ミリも手を抜かずに評価してくる。生真面目すぎて、逆に笑ってしまいました。

本番では、6人全員が黙り込んだ

テストの生真面目さに苦笑しつつ、いよいよ本物の議題を投げました。今度こそ意見が返ってくるはずだ、と。ところが——6人全員が「プロバイダエラー」で応答なし。confidence 0.00、全員が棄権(abstain)。誰も一言も発しないまま、会議が終わりました。

会議室で全員が黙り込む、あの気まずい空気。まさかそれを、AIで再現してしまうとは思いませんでした。「なんで全員黙ってるの」とAIに聞いたら、「外部のAIサービス(API)が落ちています」との返事。議論させる以前に、AIたちが喋れる状態にすらなかったわけです。さっきまで生真面目に「てすと」を却下していた連中が、肝心の本番で全員無言。落差がすごい。

「動かすこと自体が戦い」だと知った

この一件で痛感したのは、AIの仕組みは「作れたら動く」わけではないということでした。コードが書けない私はつい、「AIに作らせれば、あとは動く」と思いがちです。でも実際は、作ったあとに「テストすると空気を読まずに暴走する」「本番では外部サービスが落ちて全員沈黙する」みたいな想定外が、次々に飛んできます。動かして、見て、直して、また動かす。この地味な往復こそが、個人開発の正体です。

そして、ここでも効いたのが現場で10年やってきた感覚でした。新しい段取りを組んだら、まず小さく回して確かめる。一発で本番に乗せない。「やってみないと分からない」を前提に動く。建設現場の議事録AIに必要な3つの条件でも書きましたが、現場で鍛えた「確かめてから進む」習慣は、コードが書けないままAI開発をやるうえで、いちばんの武器になっています。技術は分からなくても、小さく試して結果を見ることだけは、誰よりもやれる。

AI評議会のトラブルで整理した、任せる側と確かめる側

今回の「動かない評議会」を通して、非エンジニアの個人開発でAIに任せる側と人間が持つ側を、こう整理しました。

  • AIに任せる:仕組みのコードを書く、役割ごとの観点を出す、議題を多面的に評価する。アイデアを形にするスピードは、独学では到底かなわない速さ。
  • 人間が持つ:小さくテストして暴走や沈黙を見つける、外部サービスが落ちる前提で設計を見直す、最終的に「この提案を採るか」を決める。コードが書けなくても、この確認と判断は現場10年の習慣でこなせる。

沈黙した夜の分だけ、アプリは進む

生真面目に「てすと」を却下され、本番では全員に沈黙される。1日でこれだけ振り回されると、さすがに疲れます。でも、こういう地味な往復を抜けないと、仕組みは1ミリも前に進みません。リリースの告知ツイートは華やかでも、その裏側はだいたいこんな格闘の積み重ねです。コードが書けない人間でも、AIと組んで、小さく試して、確かめながら直していけば、ちゃんと前に進む。全員が黙り込んだあの夜の分だけ、VoiLogの開発はまた少しまともになりました。

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